子どもの発達障害は、テレビ番組でも特集されるなど、世間の注目も集まってきております。
我が家には、「ある年齢までグレーゾーンだったけれど、その後健常に成長した子」と、「ある年齢まで一見普通に成長し、その後発達障害が現れた子」がいます。
また、療育訓練を受けるなかで、いろいろな発達をとげていった子どもたちをたくさん見てきました。子どもの成長を見つめていると、健常児と発達障害児の分岐点がどこかとても気になるものです。
今回は、子供の発達が気になるお母さんが「知りたい!」と思うポイントについてまとめてみました。
発達障害ってなに?発達障害の特徴と、いろいろな発達障害の種類
そもそも、「発達障害」ってなんなのでしょうか。実は、さまざまなケースが発達障害と呼ばれているのです。
発達障害=「障害」ではなく、発達障害=「病気」でもない
発達障害とは、脳の発達が一般的な人とはちょっと異なる状態を指しています。意外に思われるかもしれませんが、脳や心の「病気」ではありません。
一般的な人とは違った五感や、感じ方、考え方のパターンを持った、いわば「特性」です。左利き・右利きの人がいるように、脳のパターンの個性であり、特性なのです。
「発達障害」には「障害」という文字が入っているので、発達障害と診断されたらすぐ「障害児」に認定されてしまうように感じるママも多いでしょう。しかし、発達障害を持っているからといって、かならずしも「障害児」と認定されるわけではありません。
「障害児」や「障害者」は、社会生活をおくるために適切な支援やサポートが必要不可欠な状態の子どもや人をさす言葉です。
発達障害を持っていても、成長とともにできることが増えていき、自分の力で社会生活が送れるようになる人もたくさんいます。
こういった場合は、「障害児」「障害者」と認定されることはありません。また、認定されたとしても、現在は行政などの手厚いサポートが受けられます。
発達障害は治るの?…聞きたいけれど聞けない疑問をチェック
多くのママが知りたいと思うのは、「発達障害って治るもの?」という点でしょう。発達障害は病気ではないので、治療で治すものではありません。脳の発達の特性なので、その「個性」「特性」を完全に取り払ってしまうことはおそらく難しいでしょう。しかし発達障害を持っている子どもも、確実に成長していきます。発達にあった支援や教育をすれば、できることがどんどん増えていきます。
発達障害には、知的な障害をともなうものと、知的な障害をともなわないものがあります。知的な障害をともなうケースも、成長とともに知能は発達していきます。
知的な障害をともなわないケースで、社会の中で生きていくスキルと適切な支援が得られれば、社会人として独り立ちし、結婚することも可能ですよ。
さらに、一般的な人とは違った「特性」「個性」をもっていることが、大きな強みになることも少なくありません。優れた聴覚や視覚的なセンスを持ち、音楽や絵画の世界などで成功している人もたくさんいます。
子どもの個性に寄り添い、適切な教育をほどこすことの大切さは、発達障害をもつ子も、健常な子どもも変わりません。
発達障害を持つ子の教育に必要なのは、常に行政や教育・福祉に関する情報をキャッチする敏感さと、一般的な考え方にとらわれない柔軟な心です。
また、一部で「発達障害など、子どもの障害は母親の生活の乱れが原因」とまことしやかに言われているようです。
現在、発達障害を引き起こす原因はまだ解明されていません。親がどんなに規則正しい生活をして、食べ物に気をつけていても、発症することもあります。
「わが子の発達障害は、私が原因だ」と悩む必要はありません。それよりも、今後いかに上手に関わり、子どもの社会性を伸ばして可能性を広げるかに心をくだいてあげましょう。
発達障害には、どんな種類があるの?実はいろいろある発達障害
発達障害と一言で言っても、実はその種類はたくさんあり、一種類の特性を指しているわけではありません。
発達障害と呼ばれる特性には、以下のようなものがあります。
- 自閉症スペクトラム
- ADHD
- 学習障害
また、これらの特性は、さらに細分されます。それぞれ詳しく見てみましょう。